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太古の歴史と神秘に触れる アンコール・ワット5日間
アンコール・ワットは西を向いているので西塔門からおじゃまします。
東西1,500メートル、南北1,300メートル、幅190メートルの濠で囲まれています。
伽藍は三重の回廊と5つの祠堂が聳えています。
参道からは中央祠堂と二つの祠堂が見えますが、
その左右の祠堂の奥にもう二つ祠堂が隠れています。
西塔門を入りましたら、第一回廊
第一回廊は東西に215メートル南北に180メートル
1周800メートルあります。
西塔門を入ってすぐのところにデバターのギャラリーと呼ばれる
デバターがたくさん彫られている箇所があります。
アンコール・ワットで描かれているデバターは実在の女官をモデルとしていて同じ顔は一つもないそうです。
「あ、これわたしじゃーん」とかわかったんでしょうか。
かつての人は。
第一回廊の北西の壁面には『ラーマーヤナ』、西南には『マハーバーラタ』が彫刻されています。
アンコール・ワットの彫刻は薄彫りです。
とても繊細で光のあたり加減一つで印象が異なります。
バイヨンはアンコール・ワットよりもう少し深く、濃く彫られています。
東側の壁面には乳海攪拌が描かれています。
南側の壁面は3段に分かれていて、上段は極楽、中段は裁定所、下段は地獄が描かれています。
十字回廊から第二回廊への間はプリヤ・ポアン(千体仏の回廊)と呼ばれ、
南北に経蔵が建ち十字回廊でつながっています。
経蔵とは経典を入れておく蔵です。
仏教の三蔵と呼ばれる「律蔵」「論蔵」「経蔵」もありますが、
ここでは建物の事です。
プリヤ・ポアンには信者から寄進された多数の仏像が供えられていましたが、
クメール・ルージュによって破壊されてしまっています。
前回の記事でしるした森本近太夫一房の落書きがあるのがこの十字回廊です。
十字に4つに区切られて空間には沐浴場があります。
沐浴場が4つ(4箇所)必要だったから十字になったのでしょうか。
身分や性別とか何かしらの分け方があったのでしょう。
この沐浴場の水は第三回廊から雨水が流れてきて貯めておいたそうですが、
現在は第三回廊のその部分をふさいでしまっているため水はありません。
第二回廊は東西115メートル南北100メートル、17段の石段を登って入ります。
第一回廊と違い連子窓になっていて壁面の彫刻はありませんが、
第二回廊にはいるとデバターが増えます。
あっちにもデバターこっちにもデバター
アンコール・ワットは
第一回廊、第二回廊、第三回廊とどんどん高くなっていきます。
第三回廊
一辺60メートルで第二回廊よりも13メートル高い位置にあります。
中央祠堂とそれを取り囲む4つの祠堂をつないでいます。
翌日はアンコールワットの日の出鑑賞もあります。
アンコールワットは真西を正面にしているので、太陽が真後ろから登ってきます。
そのため濠の水にアンコールワットのシルエットが浮かんでくる姿は感動です。
須弥山に太陽が昇って照らすという宗教的というか宇宙観に沿って考えられて作られたのかなーと妄想。
アンコール・ワットを建立したスーリヤ・ヴァルマン2世のスーリヤは
以前に記したとおり、太陽の意味ですし。
私は、物事や建立物や絵画などなんでも、そのものの背景を想像し時代を知ろうとするクセがあるのですが、
ごちゃごちゃ考えずに景色にいやされるのは、
とっても贅沢な時間ではないでしょうか。